ジンマンのマーラーの交響曲全集を買った。
最初に第9番を聴き、それから最初に戻り第1番「巨人」から順に聴いてきた。
これはSACDとのハイブリッドなのだが残念ながら私はSACDプレーヤーを
持っていない。
しかしCDとして聴いても非常に音がよい。
さらにジンマンの演奏が遅めのテンポで細部までよく見渡せるような演奏と
なっている。
マーラーがスコアに示した音楽の構造を掴むのには非常にすぐれた演奏だと
言える。
しかしこの演奏が心に浸み込んでくるかといえば、そうは言い難い。
マーラーの作品は大変長大であり、いろいろな要素を含んでいると思う。
だから個々の指揮者が表現するものはマーラーのある一面に過ぎないの
だと思う。
この演奏からはマーラーの交響曲の構成美を味わうことができるが
その分マーラーの情念的なものは希薄になっている。
マーラーの音楽は奥が深い。