村上春樹氏の近刊を読んで

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7月に、「村上さんのところ」という、村上春樹氏の立ち上げたサイトに寄せられたメールに対しての回答を集めた書籍が出た。そして9がつに「職業としての小説家 (Switch library)」という、村上春樹氏の小説家としての生き様を書いた書物がでた。

6月~9月というのは、自分にとって非常につらい時期であったが、そんなときに「村上さんのところ」を読んで、いろいろな読者の質問へ氏が回答しているのを読んで、大変気持が和ませられた。そして、また、すごい量のメールを短期間で処理してしまう氏の強靭な意思と実行力に感心させられた。

病に伏せながら、そんな本を読んでいて自分が癒やされていくとともに、自分も頑張らなくてはという気持ちになった。

しかし、自分の病状は、自分で思っていたよりも厳しかった。

頑張って、出社したものの数日しか持たないということが具月の半ばまで続いていた。(今も、そうした状態を抜けられるかどうかの瀬戸際なのだけど・・・)

そして、このシルバーウィークの出社する必要が無いという気持ちの軽い状態で、また、氏の「職業としての小説家」を読んで見た。ここでも村上春樹氏の小説家として在り続けるための強い意志を感じられた。またこの本を書いている時点で氏が35年間小説家として過ごしてきたということを書いていたが、自分も比較的初期からの氏の読者であったので、30年以上氏の作品とともに過ごしてきたことになる。

そんな中で、精神的につらい時期や、病に臥せっていた時に村上春樹氏の作品を読むことにより、気持ちが癒やされたことが幾度と無くあったことを思い出す。

特に「海辺のカフカ」と「1Q84」の二つの長編を読んでいた時は、自分にとって危機状態にあった。しかしこれらの本を読んで気持ちが和らげられ、特に「海辺のカフカ」では、引用されている作品に興味があり、カフカを呼んだり、漱石を呼んだりするきっかけとなった。

書物だけではない、音楽や食物に対してもすごく影響を受けている。最近では「村上さんのところ」で紹介されていた、Diana Krallの60~70年代の曲をカバーした作品を聴き、それをオリジナルと較べてみたり、そこからさらに、今まで聴かなかった(聴いたかもしれないがあまり記憶に残っていないような)曲やアーティストを聴いてみたりした。

本当に大変刺激を受けているのだが、私には村上春樹氏のような力はない。

氏は作家として続けていくために、体を健全に保つためにランニングを日課としてる。私には、自分を健全に保つための何かを続けることすら出来ない。何かを始めると、それが原因となって病状が悪化してしまうということがしばしばあった。

何か緩いことで自分を健全に保つことがあればいいと思うのだが、未だに、そういうものがない。まあ、本当に緩く、できるときにできることをしていけばいいのだと考えていこう。

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