12月の初旬に注文したバーンスタインのマーラーの全集(DG)とグルダの
ベートーヴェンのピアノ・ソナタとピアノ協奏曲の全集がようやく届いた。
これらは Amazon のマーケットプレイス経由で ImportCDs へ注文したもの。
普段なら1週間程度で届くのだろうけど、12月はクリスマス・シーズン
ということでクリスマスまでには届かない可能性がある旨の連絡があったが何と
かクリスマスには間に合った。
マーラーもベートーヴェンもどちらも既に部分的に持っていたのだけれど、
ばらばらに集めるよりも全集で買ってしまった方が安上がりになるのだ。
それよりも重要なことは、全集ということでボックスにまとめて入っているので
単売を集めるよりもスペースをとらないということだ。
何だか音楽の話でなくなってしまっているようだが、これらにはそれなりの
思い入れがある。
まずバーンスタインのマーラーに関して。
佐渡裕氏がバーンスタインの演奏に触れたのがニューヨークフィルとの巨人で
あったことを著書に書いていたが、私に取ってもマーラーとの出会い、そして
バーンスタインとの出会いは、バーンスタイン指揮、ニューヨークフィルの
マーラーの巨人であった。
それ以降さまざまなマーラーの演奏を聴いてきたが、私は1979年のバーンスタイン、
ニューヨークフィルの来日公演でマーラーの巨人とショスタコーヴィッチの革命を
聴くことができた。1979年という年号を覚えているのは、このときの革命ライブが
レコードでリリースされたからだ。
この演奏会を聴いてマーラーの音楽の多層性というものに気づかされた。暗い流れの
中に突然けたたましい民族音楽が混じり込んでくる。バーンスタインはこの差を際立
てて演奏する。
この辺への取り組み方でマーラーへの指揮者の理解を知ることができると思う。
このときのニューヨークフィルはバーンスタインが監督を離れて、次のブーレーズから
メータに監督が移って間もないころだったと思う。
しかしバーンスタインと演奏しているニューヨークフィルはバーンスタインと一緒に
音楽を演奏していることの楽しさが非常に伝わってくる。アメリカのオーケストラ
ということもあるのだろうが演奏している姿が生きいきとしているのだ。
そんな訳でマーラーといえばバーンスタイン、ニューヨークフィルの組み合わせに
どうしても思いがいってしまう。
バーンスタインはニューヨークフィル監督時代にマーラーの全集をソニー(CBS)から
出していたが、その後ヨーロッパで活動するようになってから再度グラモフォンで
全集を録音した。
この全集は複数のオーケストラを使って録音したものだが、いくつかのものは
ニューヨークフィルとの録音となっている。
バーンスタインにとってもヨーロッパの名門オーケストラとはできず、
ニューヨークフィルでしかできない演奏があったのだと思う。
そしてニューヨークフィルとの新旧の録音が残されたというのが非常に幸いなこと
であったと思う。
ちょっとバーンスタインのマーラーの話が長くなってしまったのでグルダの
ベートーヴェンについてはあらためて書くことにしよう。