自分のノートを読み返して、過去には随分、長い文を書いていたものだと感心している。
最近は、本を1冊読んで、ああ、面白かった、さあ、次は何を読もう、という一連の流れで、読んだ本をじっくり味わうというか、読んだ本について考えて見る時間が殆ど無い。
最近の読書傾向は、ある作家について集中して読むことが多い。
昨年で言えば、夏目漱石と内田樹の本を集中して読んだ。漱石はだいたい読んでしまったので、次は何を読むかあまり決めていない。内田氏の本で紹介されていた本をいくつか読んだりしている。その流れの中で
スコット・フィッツ・ジェラルド「グレート・ギャッツビー」-レイモンド・チャンドラー「ロング・グッド・バイ」-村上春樹「羊をめぐる冒険」
というのがあった。村上春樹や内田氏に解説されると、ああなるほどと思うのだが、自分で読んだ限りでは、そんなに流れを汲み取ることが出来なかった。それでも、こうした読書は、書物が有機的に繋がっているようで楽しむことができる。
さて、もとに戻ると、1冊一冊の本を読んで、そこで立ち止まって考えてみることも、結構楽しいことだと思う。
一瞬「役に立つ」と書こうかと思ったのだけど、人生、「役に立つ」ことが、そんなに重要だと思えなくなってきた。「役に立つ」から読むよりも「楽しい」から読むほうがいいのじゃないかと思っている。
本が役に立つというのは、「実用書」に対して使う感覚だ。本当は、「道徳的」とか「教訓的」とか「社会的」とかいろいろな面で、役に立つということもあるのだろうけど、もう、自分というのはある程度、出来上がってしまっているので、「役に立つ」知識というものには、あまり影響を受けなくなってしまった。
これからは、読める本の量も限られてくるし、苦労してつまらない本を読むより、楽しんだり、読むことで充実感を感じられるようなものに重点を置いて読んでいきたい。そして、読んだことと同程度には無理だとしても、読んだものに対して、それなりに考えたことを書いていきたい。